暴力団「桜井総家」が解散 静岡県東部・露店不正出店に関与

 静岡県東部の複数の祭り会場で不正に露店の出店権をだまし取った事件で総長が逮捕されていた富士市の暴力団「桜井総家」は26日、解散届を県警に提出した。

解散届を提出する総長=26日午後1時半ごろ、富士署
解散届を提出する総長=26日午後1時半ごろ、富士署

 桜井総家は露店をなりわいとする的屋系組織で、県内唯一の暴力団の一次団体。総長の50代男性は、3月に県警に逮捕され不起訴処分となっていた。東部の各祭りで出店管理を担う県東部イベント商業協同組合を長年にわたって実質的に支配していたとされる。県警は事件を受け、解散届の提出に向けた作業を進めてきた。県内の暴力団による解散届の提出は1966年以来という。
 富士署で行われた提出式で、総長は「本日をもちまして解散いたします。関係者に桜井総家を復活させることもしません」などと話し、解散届を富士署の楠ケ谷良巳署長に手渡した。楠ケ谷署長は「今後は良識ある社会人として健全な生活を送ってほしい」と話した。県警捜査4課の板山光宏課長は「関係機関と連携しながら、あらゆる分野から暴力団を排除する」と強調した。
 県警によると、桜井総家は1921年に「桜井一家」として結成し、1967年に「極東桜井総家連合会」に名称変更した。2004年に幹部組員らの引退や他団体への移籍が相次ぎ規模が縮小。残った一部の組員が桜井総家と改名した。26日までに数人が所属していたとみられる。

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