女子高生登録審判 ピッチを駆ける サッカー総体男子公式戦で主審

 5月に行われた「静岡県高校総体サッカー西部地区大会」の7位決定戦で、高校生の登録審判「ユースレフェリー」の久米柚嘉さん(16)=浜松工業高2年=が主審を務めた。県サッカー協会によると、女子ユースレフェリーが高校男子の公式戦で主審を務めるのは静岡県内初とみられる。攻守が激しく入れ替わる場面でも、落ち着いた笛で試合をコントロールした久米さんは「男子のスピードについていくのは難しかったが、大舞台で全力を出せた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

選手と共にグラウンドを駆け回る久米柚嘉さん(手前右)=5月上旬、磐田市
選手と共にグラウンドを駆け回る久米柚嘉さん(手前右)=5月上旬、磐田市


 7日に磐田市で行われた決勝トーナメントの7位決定戦「浜松湖東-掛川東」を担当した。強い雨が降り続ける中、174センチの長身を生かした伸びやかなスライドで選手と共にグラウンドを駆け回った。「雨が降っている時のグラウンドはボールが止まる場所もあれば、伸びて速度が早くなる場所もあった。動きを予測して走り出すのが大変だった」と振り返る。
 小学1年にサッカーを始めた久米さん。中学は浜松泉FC(現・静岡SSU浜松泉FC)に所属し、センターバックを中心にプレーしながら、日本サッカー協会4級の審判資格も取得した。中学でサッカーに区切りをつけ、浜松工業高に進学した浜松泉FCの先輩の勧めで同高への入学を決めた。サッカー部マネジャー兼レフェリーの道に進んだのも先輩の影響という。
 同高で月1回行われるユースレフェリーの研修会に参加し、昨年10月に3級を取得。女子の公式戦や練習試合などで審判をこなして技術を磨いた。久米さんは「ボールがないところでの選手同士の接触も多く、視野を広げないといけないと感じた。選手とコミュニケーションを取って良い関係を築き、みんなから応援される審判になりたい」と、さらなる成長を誓った。

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