トンネル残土置き場計画 JRと静岡県、すれ違い続く リニア国交省会議

 森貴志副知事は16日のリニア中央新幹線トンネル工事を巡る国土交通省専門家会議で、JR東海が示している大井川上流部の燕(つばくろ)沢近くにトンネル残土を存置する計画について「(計画場所は地層の)深層崩壊の可能性があり、計画を前提に議論を進めることは適当でない」と改めて苦言を呈した。一方、事務局を務める国交省鉄道局は「委員は了解している」として、問題ないとの認識を変えなかった。
 JRの沢田尚夫中央新幹線推進本部副本部長は会議後の取材で「県に(燕沢の)計画を示した当初は場所としてだめだという話をしていなかったが、最近になって場所すらだめだと。正直、戸惑っている」と述べた。
 これに対し、森副知事は「考え方が過去と大きく異なっているという認識はない」と反論した。
 自然由来の重金属などを含む要対策土を大井川上流の藤島沢近くに盛り土するJRの計画についても、森副知事は県盛り土規制条例を理由に認められないとの立場を改めて示したが、沢田副本部長は「計画をベースに県と話をしていきたい」と述べ、認識はすれ違ったままだった。

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