挿絵画家山田さん 作家門井さん対談 静岡・駿府博物館企画イベント

 静岡市駿河区の駿府博物館で開催中の画家山田ケンジさん(同市葵区)の作品を紹介する企画展「挿絵画家 山田ケンジの世界」の一環として、同館は13日、山田さんと直木賞作家門井慶喜さんによる対談を駿河区の静岡新聞放送会館で開いた。

対談に臨む門井さん(左)と山田さん(中央)=静岡市駿河区
対談に臨む門井さん(左)と山田さん(中央)=静岡市駿河区

 静岡新聞夕刊最後の連載小説「頼朝 陰の如(ごと)く、雷霆(らいてい)の如し」で挿絵を担った山田さんと、本紙朝刊小説「ゆうびんの父」を連載中の門井さんが、新聞連載の魅力や表現活動への向き合い方について語り合った。本社編集局教育文化部の橋爪充部長が進行役を務めた。
 門井さんの小説「地中の星」でも扉絵を担当した山田さん。挿絵を描くプロセスについて「原稿からその回を象徴する言葉を探し、膨らませている。場面の説明と暗喩表現をバランス良く混ぜていくと良いかなと思っている」と紹介した。
 作家としての原点を巡る話題で、門井さんは小説家・泉鏡花の影響を受けたと明かし、「文章での絵の書き方を学んだ。文章の表現は一種の動画に近いが、静止画的な美しさをどう文章で出すか、泉鏡花から多くを学んだ」と振り返った。
 企画展は6月11日まで開催中。5月27日午後2時からは、駿府博物館で山田さんによるギャラリートークを予定している。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞