増える「交流」拭えぬ「不安」 新型コロナ5類移行、学校「黙食不要」/介護施設は面会緩和

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが8日から季節性インフルエンザと同じ5類に移行した。さまざまな制約が続いた3年間の大きな節目を迎え、学校や介護施設では対面交流の場を増やす機運が急速に高まっている。移行後は毎日の感染者数が公表されなくなるとあって「警戒の判断を自分たちでしっかりとしていきたい」とする声も聞かれる。

会話をしながら給食を楽しむ子どもたち=8日午後、静岡市葵区の中藁科小
会話をしながら給食を楽しむ子どもたち=8日午後、静岡市葵区の中藁科小


 静岡市葵区の中藁科小では同日、消毒液や検温器を片付け、児童数が少ない学級は輪になって給食を食べた。新型コロナの感染拡大で一斉休校が行われた2020年度に入学した4年生はこの日初めて、互いの顔を見ながらの食事。「やっぱり楽しい」「(全員同じ向きに座って食べた)これまでは黒板と話しているみたいだった」などと語った。市教委は2日付で、各校長に「手洗いや飛沫(ひまつ)を飛ばさないよう指導すれば黙食は必要ない」と通知。内山健校長は「市教委の方針や状況に応じ、本年度はできる活動をしていきたい」と話す。
 これまでは全校集会の開催も限られたが、4月にマスク着用が緩和され、各校とも年度当初からさまざまな活動の再開に意欲的だ。市内では静岡型小中一貫教育のグループ校の児童生徒約700人が初めて集合し、昨年まで午前で終えていた遠足を午後まで延ばすなど、子どもの結束を強める春の活動を本来の規模に戻す動きが各校でみられる。
 大規模校は児童生徒間に距離を設けることが難しく、戸惑いの声も聞かれる。ある中学校長は「感染者が増えたらどうするか。今後は親が感染していても子どもは外出自粛要請されなくなる。これまでと全く違う状況下で的確な判断が求められる」と気を引き締める。
 一方、介護の分野でも家族や地域との交流を取り戻すことへの期待感が高まっている。特別養護老人ホームなどを運営する浜松市東区の総合福祉施設「さぎの宮寮」は、面会制限の緩和を家族に通知した。職員の事前協議では、家族の立ち入りを規制していた居住エリアに面会場所を設ける案や、地域行事への参加を復活させる案など、利用者の思いをくんだ提案が多かったという。
 高杉威一郎施設長は、面会中止などの対応を決める際に、毎日発表される感染者数の推移が「重要な判断材料だった」と振り返る。5類移行後は指定医療機関の定点把握に変わる。「感染拡大時に制限するなら、分かりやすく根拠を示す必要がある。利用者の幸福と感染対策をどう両立させるか、施設側の力量が問われる」と見据えた。

 

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