沼津で朗読、ピアノ演奏 作家芹沢の生誕127年祝う
沼津市出身の作家芹沢光治良(1896~1993年)の愛好家でつくる「沼津芹沢光治良文学愛好会」(同市)は4日、生誕127年を祝い、初めて「偲(しの)ぶ会」を開いた。約50人が小説の朗読や芹沢が生前愛したといわれるピアノの音を聞いて、芹沢に思いをはせた。

芹沢が4人の娘のために執筆した少女小説「緑の校庭」を会員が朗読したあと、ピアニスト及川智史さんがドビュッシーの「月の光」、ラヴェルの「悲しい鳥たち」など全5曲を演奏した。来場者らはピアノが奏でる音色に耳を澄ませ、精力的な文筆活動とともに日本文学の普及や文筆家の権利擁護などに尽力した芹沢の生き方を回顧した。来場した間宮敦子さん(53)=同市=は「芹沢さんの世界に入り込んだ。誕生日を祝うことができたと思う」と話した。