テーマ : 富士市

22年の静岡県内自殺者 前年比85人増 中高年や困窮者顕著

 静岡県内の2022年の自殺者数が668人となり、前年から85人(14・6%)増えたことが14日までに分かった。増加は2年ぶりで、17年(677人)以来の高水準。中高年男性や年金生活者、失業者らの増加が顕著で、新型コロナウイルス禍の長期化や物価高騰などが影響した可能性がある。

県内自殺者数の推移
県内自殺者数の推移

 警察庁の自殺統計に基づき厚生労働省が取りまとめた。前年比の増減数は都道府県別で5番目に多かった。増減率も全国平均の4・2%増を大幅に上回った。本県の人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は18・5人。
 男女別は男性が90人増の486人と増加する一方、女性は5人減の182人と前年を下回った。年代別にみると、19歳以下と20代を除く全てで増加した。50代は39人増の144人と増加数が最も多く、男性に限ると42人増の119人だった。19歳以下は23人で横ばいだった。
 職業別は年金・雇用保険等生活者が92人から162人と8割近く増え、失業者は7人から38人と5倍超に急増した。物価高が生活困窮者らを直撃した可能性がある。
 自殺の原因・動機は健康問題が380人と最も多く、経済・生活問題174人、家庭問題157人、勤務問題109人が続いた。
 市町別にみると、静岡市が125人、浜松市が123人で、両政令市で全体の4割近くを占めた。このほかは富士市50人、沼津市38人、富士宮市と焼津市各30人など。
 コロナ禍でクローズアップされた女性の自殺増加に加え、中高年男性の自殺をどう食い止めるかも大きな課題となっている。3月に開かれた県自殺対策連絡協議会でも、委員から「これまでの対策で追いつけるのか。周知や啓発を踏み込んでやるべきだ」と懸念する声が上がった。

いい茶0

富士市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞