テーマ : お茶・茶況

茶業界の課題解決へ 学生が産地と連携 東京農大生、川根抹茶で商品

 豊かな香りが特徴の川根産抹茶に可能性を見いだした都内の大学生が、茶生産者と連携してようかんと抹茶染め商品を考案した。若者視点で茶業の新たな魅力を提案している。

抹茶ようかんを手に取る早川蛍さん(左)。抹茶の長所を引き立たせる商品を考案した=4月上旬、島田市川根町
抹茶ようかんを手に取る早川蛍さん(左)。抹茶の長所を引き立たせる商品を考案した=4月上旬、島田市川根町

 東京農業大国際食料情報学部アグリビジネス学科で農業の6次産業化などを学ぶ学生5人は2022年5月、島田市川根町の農業法人KAWANE抹茶で現場実習を行った。抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)の栽培工程を学びつつ農家の話を聞く中で、後継者不足や茶価低迷といった茶業が抱える課題を痛感した。
 「抹茶産業を盛り上げたい」との思いを強くした学生らは、実習終了後もマーケティング手法を議論。飲用以外の用途を考え、抹茶をふんだんに使った類似品を見ない「至高の抹茶ようかん」を開発した。大学の学園祭で売り出して完売したことで自信を深めた。
 規格外で食用では廃棄処分される抹茶の粉を染料に用いた緑色のブックカバーやポーチも商品化した。ようかんや抹茶染めはクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」から購入できる。
 学生のリーダー早川蛍さん(21)は「農家の収益確保に向けてアイデアを出し合った。食や農業の魅力を伝える活動を続けていきたい」と話す。

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