5400ヘクタールで担い手不在 静岡県内農地 農業法人誘致へ連絡会発足

 静岡県内各市町が農業者に実施したアンケートで、後継者が不在または未定の農地が約9600ヘクタールに上り、規模拡大に意欲的な生産者が活用を進めても、約5400ヘクタールが耕作放棄地になる可能性があることが、5日までに分かった。結果を集計した県は、県外の農業法人誘致に向けた連絡会を立ち上げ、市町と連携して農業の担い手確保を強化する。
 アンケートは2019年度から約3年間かけて実施した。後継者が不在、未定と答えた農業者は主に60~70代以上で、多くが今後10~20年で離農する可能性が高い。既存生産者で拡大を希望する農地は計約4200ヘクタールにとどまり、残る約5400ヘクタールで新たな農業者を確保する必要性が浮き彫りになった。
 県によると、首都圏や中京圏など大市場への物流アクセスが良好で、温暖な気候の本県には就農関連の相談が多数寄せられているが、ニーズに即した農地提供ができず、就農に結びつかないケースも多い。相談を受けてから農地を探し始めるなど受け身の姿勢でスピード感を欠き、戦略性もなく非効率な対応が課題となっていた。
 4~5月に立ち上げる連絡会では、農地中間管理機構(農地バンク)を事務局に各市町の参加を呼びかけ、新規就農者を「県外から取りに行く態勢」(県担当者)に転換する。
 1日の法改正で域外の担い手情報を地域に提供する機能が農地バンクに加わり、連絡会にワーキンググループも発足させて農業法人を誘致する戦略の共有を図る。何年後に農地を手放すか―など既存農業者の意向も踏まえ、将来を見据えた切れ目のない担い手確保を進める。
 国の試算では10~20年後に「農業者が4分の1に減る」とのデータもある。県農業ビジネス課の担当者は「減少の速度はますます高まる。県一丸で取り組む」と語る。
 (経済部・金野真仁)

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