金属かぶせた後、頭が痛む かみ合わせ調整すれば改善【歯の診察室】

 【問】52歳女性。左下の奥歯が虫歯になり、一部に金属をかぶせてもらったところ、隣の歯との間が狭くなり痛んだので、翌日受診しました。先生からは「10日たって良くならなかったらまた来て」と言われました。歯の痛みが良くなったと思ったら、今度は髪をとかすと頭が痛み、ひどくなる一方です。金属のかぶせをやり直してもらえば、頭の痛みは治りますか。

 【答】はい。かぶせを調整してかみ合わせを改善すれば、頭の痛みが治る可能性は高いと考えられます。
 今回の場合、かぶせをした時点では、かみ合わせに問題はなかったようです。しかしその後、かぶせが徐々に隣の歯を圧迫して動かし、かみ合わせの不良が生じたことが、痛みの原因と思われます。
 食べ物をかむ時に使う筋肉の一つに、「側頭筋」があります。側頭筋は頭蓋骨の左右に、広い範囲で付着しています。かみ合わせが悪いと、側頭筋が筋肉痛のように痛むことがあります。長い間そのままにしておくと、側頭筋だけでなく顎[がく]関節の痛み、頭痛などの症状も現れる場合があります。髪の毛をとかすと側頭筋を刺激するので、痛みが出ることもあります。
 まずは歯科で、かぶせが隣や上の歯を圧迫しないよう、かぶせを削るなど調整してもらいましょう。調整しきれない場合は、やり替えを相談してみてはいかがでしょうか。かみ合わせの不良だけが痛みの原因であれば、かぶせの調整をすることで、比較的早く改善されることが多いです。
 その他にも原因として考えられることがあります。歯ぎしりや食いしばりがあると、同様の症状が現れることがあります。また、かぶせた歯の虫歯が深いと、歯の中の神経(歯髄)が炎症を起こして痛みが出ることがあります。
 かみ合わせの調整をしても改善が見られない場合は、治療した歯の状態をもう一度診てもらうのも良いかもしれません。歯にも異常がないなら、歯科の領域外の可能性があります。まずはかかりつけの歯科医院で相談されるのが良いと思います。
 (阿武野貴弘・静岡県歯科医師会生涯研修部)

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