テーマ : 三島市

高まるクラフトビール熱 醸造所続々オープン 三島・沼津

 沼津市のクラフトビール醸造所「リパブリュー」が3月、三島市で缶ビール製造を主体にした新工場を稼働させた。同市では同じ3月に「fete(フェット)三島醸造所」が醸造を開始。近隣の沼津市でも起業が相次いでおり、首都圏以外では異例の「クラフトビール集積地」が出現した形だ。互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、品質向上と県東部の交流人口増を目指す。

大規模なモルト粉砕器、約5000リットルの発酵タンク8基を備え、県内有数の規模となったリパブリューの新工場=三島市
大規模なモルト粉砕器、約5000リットルの発酵タンク8基を備え、県内有数の規模となったリパブリューの新工場=三島市
沼津・三島両市発祥のクラフトビール醸造所
沼津・三島両市発祥のクラフトビール醸造所
大規模なモルト粉砕器、約5000リットルの発酵タンク8基を備え、県内有数の規模となったリパブリューの新工場=三島市
沼津・三島両市発祥のクラフトビール醸造所


品質向上へ切磋琢磨・交流人口増に期待  リパブリューの新工場「ナチュラル・ルーツ・スタジオ」は同社の新しい缶ビールブランドを展開するための拠点。米国発祥の人気スタイル「ヘイジーIPA」など4種の製造を始めている。
 地下77メートルからくみ上げた水を使い、製造後に残るモルトかすは堆肥化する。使用電力の4分の1を工場の屋根に載せた太陽光パネル50枚で賄う。畑翔麻代表(31)は「パネルをさらに増やしたい。サステナブル(持続可能)な醸造所を目指す」と意気込む。
 4月下旬からビール販売を始めるフェットは、沼津市のレストランバー「アイアイ」の立川大介代表(44)がオーナー。三島市では本格的なレストランの奥に、500リットルの発酵タンク5本を備える醸造所を整備した。
 開業に当たり「甘味果実酒」の免許も得た。「地元の産物を使って地域に貢献したい」と立川さん。表面の傷などの理由で出荷が見送られた沼津市西浦地区のレモンを使った、発泡性果実酒も製造する。「フランス料理に合う酒を提供する」とし、他の醸造所との違いを際立たせる。
 三島市で醸造所が増える一方、JR東海道線の隣駅、沼津でも昨年、二つの醸造所兼飲食店が開業した。酒販店「MUGI」(静岡市葵区)を運営し、ビールイベントも手がける「ZOO」の伏見陽介代表(29)は、2市同時進行の現象の背景について「首都圏から日帰りのビール旅行ができる立地が強み」と説明する。一方で過当競争の恐れもあるという。「クラフトビールという名前だけで売れる時代ではない。製品のブラッシュアップを続ける必要がある」と警鐘を鳴らした。

静岡県内ビール飲み比べ 22日三島・楽寿園
 県東部を中心に全県からクラフトビール醸造所が集う祭典「第2回静岡クラフトビアジャンボリーin三島」が22日午前10時から、三島市の楽寿園で開かれる。
 参加醸造所はリパブリューの他、反射炉ビヤ(伊豆の国市)、フジヤマハンターズビール(富士宮市)、柿田川ブリューイング(沼津市)など15社を予定。昨年から今年にかけて開業した“新顔”も名を連ねるという。楽寿園の入場料300円が必要。ビールは各自購入する。問い合わせは「静岡クラフトビール協同組合」公式サイトの専用フォームから。

 

いい茶0

三島市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞