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浜松市中区(定数4-5)立候補者の決意 静岡県議選 

 静岡県議選は9日の投開票に向け、無投票を除く19選挙区の43議席を巡って67人が激しい選挙戦を繰り広げている。人口減少や新型コロナウイルス禍で落ち込む地域経済の活性化、防災対策など課題が山積する中、候補者は何を強調して支持を呼びかけているのか。人物像と合わせて紹介する。(届け出順。名前の右のかっこ内は党派、現元新の別、丸数字は当選回数、投票日基準の満年齢の順)
行革推進の経験生かす
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 田中照彦(たなかてるひこ)氏 (無新、56歳)
 衆院議員秘書を経て浜松市議を3期務め、前回市議選で落選。悔しさを胸に4年間、企業の営業職として勤務した。「机上で予算を議論するうち忘れかけていた、物を売る大変さや税金の貴重さを痛感した」。心機一転、県議選に初挑戦する。
 市議時代は鈴木康友市長の行革を支持し、事業や公共施設の見直しに関わった。「無駄を削れば子育て支援や福祉に予算が回る。浜松ができたように、県ももっと改革できるはず」と意欲を語る。
 人口が減っても活気ある将来の社会を見据え、産業の創出や地方への権限委譲などを重要政策に掲げる。
 20代の頃、未来を情熱的に語る地元国会議員に引かれて秘書になった。今も「夢を語れる政治家」を目指す。

人口流出阻止へ力結集
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 竹内良訓(たけうちよしのり)氏 (自現④、61歳)
 県議4期目は党県連副会長や会派代表などの要職を務めた。熱海市の土石流災害に関する特別委員会では委員長として行政の対応を検証した。「防げた災害だったと考える。現場に近い地域局の権限強化など、教訓を生かしたい」と強調する。
 目下の最重要課題に深刻化する若年人口の流出を挙げ、高校の地域探究や地場企業に触れる取り組みの充実を訴える。昨秋には自身の主導で環浜名湖振興議連を結成。県と市の垣根を越え、浜名湖の魅力向上に乗り出した。「若者が誇れる街にするため力を結集すべき」と呼びかける。
 大企業の支援を受けず、独立独歩を貫く政治姿勢が自らの誇り。「政党も、もっとボトムアップの組織に変えたい」と展望する。

格差是正に意欲燃やす
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 平賀高成(ひらがたかしげ)氏 (共元①、68歳)
 自身4年ぶりの議席獲得を目指す。「貧富の格差をなくし、真面目に働く人が報われる社会の実現に向けて政治をたださなければ」と意欲を燃やす。
 前回の県議在任中はメガソーラー設置目的の乱開発について調査と質問を重ね、県の規制適正化につなげた。今回は学校給食の無償化、国民健康保険料の引き下げ誘導など生活者目線の政策を練る。浜岡原発の再稼働やリニア中央新幹線工事に明確に反対する。
 必死に働いても余裕のない父の姿を見て、社会に疑問を抱いたのが政治活動の原点。「大企業優先の政治で今も働く貧困層は増えている。仕組みを変えなければ、少子化は解消しない」と訴える。同居する小学生の孫2人が元気の源。

県と市の縦割りを正す
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 鈴木唯記子(すずきゆきこ)氏 (無新、47歳)
 浜松市議2期を経て県議選に初めて挑む。市民から聞いた困り事を行政に届ける政治スタイルを貫く。市議の2期目途中から1人会派として活動。「普通の人が普通に暮らせる社会に」を信条に、JR浜松駅前での週1回の演説を続ける。
 20年ほど前、娘2人の保育園探しで悩み、「周りの母親たちも待機児童で困っていた。議員なら仕組みを変えられる」と政治の道を志した。保育施設は充実してきたが、市立中学と県立高の溝で発達障害のケアが途切れる点など縦割りの弊害を痛感した。「県と市をつなぐ役割を果たしたい」と目標を掲げる。
 「言いたいことは言う性格。女手一つで育ててくれた母に似たかも」と自己分析する。

介護や子育て 苦労代弁
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 杉本好重(すぎもとよしえ)氏 (自現①、61歳)
 4年前、3度目の挑戦で県議に初当選。子育てや介護に悩む女性の代弁者として厚生委員会副委員長を務め、切実な声を県に届けてきた。「良い施策があっても発信が弱い」と痛感し、県と市民の橋渡し役を志願する。
 県のホームページを担当者と掛け合って改良した。手作りの県政リポートを毎月発行し、福祉や健康の施策を中心に平易な表現で紹介。地域での反響の広がりに、手応えを感じている。
 20代の頃から故安倍晋太郎氏、故扇千景氏ら国会議員の事務所で秘書を務め、政治に触れながら子育てや両親の介護に当たった。現在は要介護の義母と2人暮らし。「聞き上手で人の悩みに共感できる政治家でありたい」と理想像を描く。

 

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