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熱海特産ダイダイ ブランド化へ 静大生が研究報告 生産者増、販路拡大に期待

 熱海市特産のダイダイのブランド化に向けて地元生産者と共同プロジェクトに取り組む静岡大農学部園芸イノベーション学研究室(松本和浩教授)の学生が27日、ダイダイの苗木生産技術などに関する研究報告会を熱海商工会議所で開いた。

ダイダイのブランド化に向けた研究成果を発表する厚味さん=熱海市の熱海商工会議所
ダイダイのブランド化に向けた研究成果を発表する厚味さん=熱海市の熱海商工会議所

 研究室は昨年4月から同市の生産者「シトライカンパニー」(岡野谷伸一郎代表)と連携し、農家や収穫量が減少傾向にあるダイダイ生産の再興に向けた栽培方法や商品開発を研究してきた。
 プロジェクトリーダーの厚味莉歩さん(3年)はダイダイの栽培方法により味覚や品質に違いがあることや、成熟した枝を発酵促進剤につけて挿し木することでクローン苗を作れることを説明した。
 種子から育てた実生(みしょう)のダイダイは木が巨大化し、とげも大きいため収穫しづらいと敬遠されがちだが、クローン苗は木やとげの大きさを抑えられ、用途に応じてさまざまな味覚のダイダイを栽培できる可能性があるという。
 厚味さんは「熱海のダイダイの新たな強みにできれば」と述べた。松本教授も農家の新規参入や加工品の広がりに期待感を示した。市内では10年前に約300軒あったダイダイ農家が約80軒に減少しているという。岡野谷代表は「熱海の農業を未来につなげるための第一歩」として、今後の生産に取り入れたいと語った。

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