観光再興へ/1票へのヒント漫画で見る現場①【統一地方選しずおか】

 26日告示の静岡、浜松の両政令市長選や31日告示の県議選などが一斉に繰り広げられる統一地方選は、各地域の課題を浮き彫りにし、その打開策を示す立候補者に1票を託す「未来選択」の機会となる。課題解決の道筋を探るため県内在住の漫画家やイラストレーターらが記者と共に現場を取材し、感じた事柄を全6回の企画「1票へのヒント」で描いた。


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 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ、大きな転換期を迎える。全国で人の動きが活発になり、訪日客の増加も期待される。一方、コロナ禍の3年にわたって厳しい制約を受け続けてきた県内観光関係者の経営体力は悪化した。「観光再興」に向けて今、どんな方策が必要とされているのか。漫画家としても活動する静岡新聞社グラフィック戦略部の梅原陸が現場を訪ねた。

 観光業界はコロナ禍の苦難に耐えながら、環境の変化に対応するとともにサービスを見直してきた。観光地の将来像をどう描いているのか。地域の活性化に向けて戦略を練る浜松市西区の舘山寺温泉観光協会を訪ねた。

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作者から 持続可能な魅力作りを
 漫画に登場してくれた2人はコロナ禍の3年をどう取り戻そうかと山積する問題に向き合っていた。
 観光客が激減したこの3年はホテルや旅館、飲食店の経営を圧迫した。各商業施設は人手不足などの問題も抱えていて、1年ですぐ回復するのはかなり厳しそうに思えた。行政の旅行支援策の効果で観光業界は少なからず元気になっていると思っていたが、取材を通じて今後も支援が必要だと考えが変わった。
 浜松市では市が舞台の一つになった大河ドラマの放送が始まり、来年には浜名湖花博20周年記念事業の実施が予定されている。誘客の材料に恵まれる一方で、舘山寺温泉観光協会の金原貴会長が「持続できる観光地づくり」を強調したことは強く印象に残った。
 一過性の支援や誘客策だけでは不十分。発信力のある若い世代の移住促進や、新たなイベント創出などの「これから」を見据えて話す2人の姿を見て、舘山寺温泉への期待で胸が膨らんだ。

 

photo03 作者自画像


 作者略歴
 梅原陸(うめはら・りく) 静岡新聞社グラフィック戦略部でグラフィックデザインを担当する。静岡市出身。京都芸術大芸術学部卒。漫画家としての最近の活動に「少年ジャンプ+」の読み切り掲載などがある。
記者の一言 ブランド力向上への方策必要
 浜松市の代表的観光地である舘山寺温泉は、コロナ禍前は団体客を中心に年間40万人ほど来ていた宿泊客が、2020年度には半数を下回った。この3年で宿泊施設は個人客向けサービスを拡充し、個性ある施設も登場した。現在は飲食店の利用は好調で23年度の宿泊客数は7割前後まで戻ってきた。ただ、解体が進むホテル九重の跡地利用が決まっていないことや、人手不足、物価高騰などの問題もある。行政にはこれらの課題への支援策に加え、観光地のブランド力向上に向け、長期的な視野に立った方策を観光協会と考えてほしい。
 (浜松総局・白本俊樹)

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