テーマ : 編集部セレクト

大自在(3月17日)漫画週刊誌の日

 約30年前の大学生時代、1時間超の電車通学ではいつも漫画週刊誌を読んでいた。読書家を装ってもすぐにぼろが出ると思い、就職面接でも正直に打ち明けた。さまざまな知識を深められるし、主人公を通じて生き方も学べる。本は読まないのかとあきれ顔の面接官に必死に説いた。
 最近は電車内で漫画週刊誌を広げている人をほとんど見ない。日本雑誌協会のまとめでも、各誌の発行部数は近年激減している。漫画文化自体が廃れたわけではもちろんない。電車内の隣の乗客はスマホで相変わらず熱心に漫画を読んでいる。横からページを盗み見るかつてのようなまねはできなくなったが。
 きょうは「漫画週刊誌の日」。1959年3月17日、日本初となる少年向け週刊誌として、少年マガジン(講談社)と少年サンデー(小学館)がそれぞれ発刊されたのを記念した。
 時に、漫画の世界のような荒唐無稽なことが現実に起きる。海外から帰国せず、国会欠席を続けたガーシー参院議員が15日の本会議で除名処分を受けた一件もそうだ。所属政党名もNHK党改め「政治家女子48党」。ギャグ漫画ではない。
 漫画週刊誌では「ONE PIECE(ワンピース)」や「鬼滅の刃」などの大ヒット作品が生まれる一方、読者の支持を得られない作品は数週間でも打ち切りになる。意味ありげなキャラクターが結局、何もしないまま終了する作品に出くわすと、厳しい世界だと痛感する。
 意味ありげなガーシー氏は結局、何もしないまま国会から退場した。こちらは納得の連載打ち切りである。

いい茶0

編集部セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞