藤枝市、市民大学の講座拡充 次世代の人づくりに注力【ウィズコロナを見据えて 志太榛原23年度予算案②】

 感染症収束後の地域経済の活性化を見据え、藤枝市は「次世代を担う人づくり」を目指した事業に力を注ぐ。本年度スタートした藤枝市民大学の講座拡充を図るなど、いつでも学び直せる環境の整備や、デジタル社会で活躍する専門人材の育成などを図る。
 「資格取得コースを増やしてほしい」「ビジネスにデジタルを生かす手法を学び、会社に持ち帰りたい」。市民大学は、2月で1期目の全ての講座が終了した。市は、受講者から出た感想や意見を基に、新年度以降の運営や講座構成を改良していく方針だ。
 市の担当者は「予想以上に受講者たちの学びへの意欲が高かった。講座内容への評価も良かった」と1期目の手応えを口にした。各回の講義の終了後、講師を務めた大学教授らへの追加質問を希望する受講者が列をつくる光景もよく見られたという。
 市は新年度当初予算案で、資格取得コースの講座拡充などに1200万円を計上した。生涯学習コーディネーターのみでスタートしたが、新年度はITパスポートや基本情報技術者、宅地建物取引士など13資格とし、対象となる資格を大幅に増やす。
 リカレント教育(学び直し)、一般教養のコースでもそれぞれ、デジタルマーケティング分野や、サッカーや茶、地酒などの地域学をより深く学べる構成にする。感染症の情勢を考慮しながら受講者同士が交流できる機会も増やしていく。地方での新規ビジネス開拓や起業に向け、情報交換や人脈づくりにつなげてもらう。
 同市はこのほか、多子世帯の保育料軽減や保育施設での使用済みおむつの回収、男性の育児休業の取得促進といった事業を展開していく。子育て支援と多世代型の教育、職場環境の改善など、総合的、多角的な視点から人づくりを進める狙いがある。

 <メモ>藤枝市民大学の資格取得コースでは、新たに合格報奨金制度を設ける。受講年度内に対象の資格を取得できた場合、1万円を贈呈するとしている。
 講座修了者への世界標準規格「オープンバッジ(学習歴のデジタル証明)」発行も引き続き行う。習得内容に実効性を持たせ、受講者の意欲向上に役立てていく。

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