追悼キャンドル 常葉大浜松から浜松西RCへ継承 11日、浜松市中区 東日本大震災12年

 常葉大浜松(浜松市北区)の学生が中心となって続けてきた東日本大震災の犠牲者追悼と復興祈念の行事「3・11復光キャンドルナイト」を今年は、浜松西ロータリークラブが引き継ぐことになった。市民の防災意識の向上を目指して11日夕、中区のアクト通りで明かりをともす。

キャンドルナイトの運営について話し合いを進める山地会長(左)=浜松市中区(撮影のために一時的にマスクを外しています)
キャンドルナイトの運営について話し合いを進める山地会長(左)=浜松市中区(撮影のために一時的にマスクを外しています)

 数千本のろうそくで文字を描くキャンドルナイトは、被災地でボランティアに打ち込んだ学生らが使命感から始めた。震災の翌年からほぼ毎年継続し、震災の記憶を後世に伝えようと取り組んできたが、コロナ禍で活動が制限されるなど、持続が困難となった。学生らの実行委員会は2022年を最後に、同行事の休止を決めた。
 だが、過去2回の運営に協力してきた同ロータリークラブの山地峰春会長(63)が「南海トラフ巨大地震が予想される静岡県で、この活動を継続する意義は大きい」と、今年の開催を決意した。
 背景には故郷の神戸市が被災した1995年の阪神淡路大震災の記憶があった。山地会長は「30年ほど前に静岡県に移ってきたが、その数年後に阪神の震災が起き、友人が被災したり、亡くなったりした」と思い起こす。その上で「常に災害を意識し、備えておくことで助かる命がある」と強調する。
 11日の当日は同クラブの会員に加え、地元の中高生ら約100人がボランティアとして参加を予定している。山地会長は「熱意のある若者が今後も活動を継続してくれれば」と期待を込める。
 キャンドルナイトに携わりたいとの思いで同大に入学し、最後の実行委員長を務めた4年の伊藤萌さん(22)は「休止は苦渋の決断だったので(引き継いでもらえて)うれしい。震災を知らない子どもたちにも関心を持ってほしい」と願う。

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