「国交省、一定の指導力発揮」 リニア県境ボーリング協議巡り県が認識
静岡県は2日、リニア中央新幹線トンネル工事で山梨県から静岡県境に向けた高速長尺先進ボーリングを巡るJR東海とのこれまでの協議について「国土交通省は一定の指導力を発揮した」との認識を示した。県議会危機管理くらし環境委員会で渡辺光喜くらし・環境部参事が答えた。
渡辺参事によると、県がボーリングの進め方についての協議を求めている中、JRが2月2日午後4時50分ごろ「3日からボーリングを開始する」と県に通達した。ただ、同日午後10時ごろに国交省鉄道局から「3日の着手は行わないことでJRと調整がとれた」と電話があり、3日にはJRから「本日、ボーリングは実施しない」と連絡があったという。
県はそれ以降、鉄道局が間に入る形でJRとの協議を続けていたが、結局、合意形成が図られないままJRが21日にボーリングの削孔(さっこう)を始めた。渡辺参事は同日、鉄道局から「今後も必要に応じて県とJRの間に入って調整する」と連絡があったことを明らかにし、「指導力を発揮してもらいたい」と期待した。