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夢は「藤枝まるごと劇場化」 4、5日に演劇祭 山田裕幸ディレクター

 藤枝市の蓮華寺池公園周辺や地元商店街を舞台に4、5の両日、昨年に続き2回目の「藤枝ノ演劇祭」が開かれる。フェスティバルディレクターの山田裕幸(劇作家、演出家)に企画の背景を語ってもらった。

「藤枝ノ演劇祭」の将来像を語る山田裕幸フェスティバルディレクター
「藤枝ノ演劇祭」の将来像を語る山田裕幸フェスティバルディレクター


 東京で長年活動してきた。年齢を重ねる中で、地域に根ざした演劇祭を実現したいとの思いを抱き2017年、出身地である焼津市の隣、藤枝市に劇団ごと引っ越してきた。
 公演会場兼稽古場である「白子ノ劇場」の周辺が演劇祭に適した環境で幸運だった。蓮華寺池公園と複数の商店街が一つのエリアにまとまり、歴史と文化がある。行政の支援もあり、地元のライターや学校の先生などいろいろな方が集まった。
 演劇を通して伝えたいのは地域の魅力だ。その意味で演劇自体は二の次。「演劇祭を見に行った」という形で藤枝が観客の記憶に残ることを目指している。
 会場となる寺や旧茶工場などは収容人数は多くないが、静岡県内外から訪れるお客さんが会場をはしごしつつ、関連行事やマルシェなど好きな場所も周遊できるように工夫した。藤枝市にとっては商店街の活性化事業であり、地元の魅力を再発見してもらう意味もある。
 ゆくゆくは、地域全体が劇場、アートのようになってほしい。演劇祭の期間中、アーティストが町中でお茶を飲んでいる、出番を終えた俳優が一杯やっている、そして自然と会話が生まれる-という町の姿を夢見ている。
 30人以上が企画に関わってくれている。成功も失敗もない形で楽しく運営できれば良い。新型コロナウイルス禍で「まあいいか」「出かけなくてもいいか」が普通になった。だからこそ、あえて出かけて知らないものと出合うことが“メンドクサイ”を楽しむという演劇祭の趣旨でもある。

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