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藤枝旧市街地で計画始動 地域色生かした再生を【記者コラム黒潮】

 藤枝市は来年度から、旧東海道藤枝宿周辺の「藤枝旧市街地」の総合再生に本格的に着手する。歴史や文化、産業、観光などさまざまな要素を併せ持つ地域だけに、それらの特徴を生かしたきめ細やかな取り組みを進めてほしい。
 このほど策定した、2031年度までの10年間の方向性を示す基本計画に基づいて実行していく。対象となるのは千歳や岡出山、茶町、白子、音羽町といった地区で、蓮華寺池公園や商店街、市役所、大規模な住宅街などが含まれている。
 全体のテーマを「歩きたくなるまち」「住みたくなるまち」と設定。その上で旧市街地を5エリアに分け、歴史や文化の発信や観光回遊、行政サービスの拠点、誘客やにぎわい創出、日常生活の利便性向上といった目標を掲げた。ハード、ソフトの両面で63施策を進めていく。
 計画を進めていく上で特に重要になるのは、年間140万人ほどの集客力を誇る蓮華寺池公園だ。現状では池を1周する散策路を巡って帰宅してしまう人が多いことが課題になっている。周辺の商店街や飲食店などにも足を延ばしてもらう工夫が必要になる。
 市は新年度当初予算案で、同公園周辺の歩道の高品質化を図る予算を計上した。型押しアスファルト舗装を施すことで、歴史や文化的な趣を感じさせる通りにする狙いがある。岡出山公園などと連動した新たな周遊コースの確立を目指す。
 商店街の振興策では、空き店舗を活用した開業支援や事業承継の促進を図る。茶業関連施設や日本遺産の活用を通して、来訪者を歓迎するまちづくりを進めていく。
 地域活性化を目指す上で、地元住民の思いに寄り添う姿勢を忘れてはならないだろう。市は生涯学習センター近くのグラウンドを利用して生活拠点施設の誘致を目指すほか、高齢者を対象にした移動支援の充実も図るとしている。住民と来訪者のどちらにとっても魅力あるまちづくりを目指してもらいたい。

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