歴史観光情報満載 「若い人も手に取って」 静岡県が協力、ムック完成

 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「どうする家康」で静岡県内の文化資源に注目が集まる中、歴史を楽しむための基礎知識や最新の観光情報などを案内するムック「武将と旅する 静岡・浜松・富士・伊豆」(交通新聞社)がこのほど発売された。県から出版社に働きかけ、観光と歴史の両部局が編集に協力した。

県内の歴史情報が満載のムック「武将と旅する 静岡・浜松・富士・伊豆」
県内の歴史情報が満載のムック「武将と旅する 静岡・浜松・富士・伊豆」

 徳川家康と9人の武将らのゆかりの地を紹介し、訪問しやすい観光スポットやグルメ情報、モデルコースを列挙。「観光雑誌だが史実に忠実、それでいて固くない」絶妙なバランスを目指した。
 取り上げたのは、家康のほか、井伊直政、今川義元、武田信玄、源頼朝、北条義時、北条早雲、徳川慶喜、吉田松陰、坂本龍馬。縁のある場所が多い家康は幼少期、織田同盟時代、豊臣臣従時代、晩成期の4期に分けた。
 県内の歴史に詳しい県文化財課の専門職員が最新の知見で検討を重ねた見どころの説明は終始“硬派”だ。一方、登場人物は親しみやすいオリジナルのイラストで描いた。歴史音痴を自認する編集人の武田憲人さん(58)は「私も大河ドラマが面白くなった。やはり、歴史の背景を知ることは重要だ」と話す。
 戦国時代史研究の第一人者の小和田哲男静岡大名誉教授と歴史好きタレント松村邦洋氏との対談、県内の城や御城印を紹介する「静岡の城20選」も掲載した。
 ムックづくりに関わった県観光振興課の飯田佳希主事(26)は「メジャーなスポットだけでなく、あまり知られていない場所も盛り込んだ。若い人も手に取って楽しんでほしい」と期待する。
 全国の書店などで販売中。1100円。

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