テーマ : 藤枝市

障害者のテレワーク支援 藤枝に専用オフィス カウンセラー常駐

 藤枝市で障害者テレワークオフィスを利活用する動きが広がっている。利用者の多くは精神・発達障害者で、見守りカウンセラーが常駐することで体調の異変に対応したり、相談に応じたりする態勢を整えている。働く環境に不安を持つ障害者と、障害者を戦力として雇用したい企業側の架け橋としての役割を担う。

障害者のテレワークオフィス。人間関係の悩みがなく働ける環境を目指す=2月上旬、藤枝市駅前
障害者のテレワークオフィス。人間関係の悩みがなく働ける環境を目指す=2月上旬、藤枝市駅前


 「相談できる人がいるのが心強い。仕事に集中できている」。市内の会計事務所の従業員で、テレワークオフィスに通って経理の業務を担当している男性(42)は、以前の職場では人間関係の悩みを抱えていたという。「ここならストレスなく働ける。仕事もリモートで問題なくこなせる」と笑顔を見せた。
 オフィスを運営するのは一般社団法人静岡障害者就労企業交流会(福田次朗代表理事)。2019年、JR藤枝駅前で定員8人としてスタートしたが満員になったため、このほど近くにある別のビル内に新たなオフィスを構えた。16人が入居できるようになり、市内に拠点を置く日清紡ホールディングスのほか、地元建設会社や鉄鋼業の従業員らが利用している。
 福田代表によると、働く意欲はあるがコミュニケーション能力に不安がある障害者と、障害者を雇いたいが合理的配慮に課題が残る企業との間で、マッチングが困難になるケースが多いという。専用オフィスを用意し、社会福祉士の資格を持つカウンセラーが仕事だけでなく個人的な相談にも応じる環境をつくることで「双方にとってメリットのある形を目指した」と語る。
 ビルの警備やインターネットのセキュリティー対策を施し、企業が提供する機器やデータ保護にも注力する。福田代表は「持続可能な多様化社会を築く上で必要な施設だと考えている。藤枝のモデルが全国に広がれば」と期待を寄せた。
 

いい茶0

藤枝市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞