工事遅れ取り戻せない 金子慎JR東海社長一問一答

 16日に都内で行われたJR東海の金子慎社長の記者会見の主なやりとりは次の通り。
 ―リニア中央新幹線の2027年開業は困難としているが、ずれ込む見通しは。
 「川勝平太知事と会った20年6月時点で、工事に着手して順調に進む前提で27年開業がギリギリだった。2年8カ月が経過している。今から着手しても遅れを取り戻すことはできない」
 ―工程の見直しについて、2年8カ月以上の余裕が必要か。
 「どれだけ遅れるかは静岡工区の着手の目途が立たない中、申し上げるのは困難。17年10月に川勝知事から大井川の利水者との協定に反対された。その時点で着工したい心づもりだった。早期に着手できるよう取り組まないといけない」
 ―山梨県内で静岡県境に向かって実施計画の高速長尺先進ボーリングについて、静岡県は開始前に県と合意するよう要請している。どう対応するか。
 「県との合意が必要とは思っていない。ただ、心配は心配として受け止め、対処を文書で知らせた上で、慎重に進めていく」
 ―10年5月に名古屋開業段階でも「中間駅のひかり・こだまが増え、便利になる」と発言した。
 「名古屋開業時点は、イメージとして申し上げた。現在は当時よりもダイヤが稠密(ちょうみつ)になっている。一方で『静岡にも早く開業のメリットを』との要望があり、名古屋開業時点で何かできないか検討している。今の段階は不確定要素が多く、はっきりしたことは言えない」
 ―名古屋開業段階で、東京圏と新大阪以西間を移動する乗客の需要もリニアに移ると考えるか。
 「なるべく早く着きたい客は十分いる。東海道新幹線とリニアの乗り換えがスムーズにできることが大きなポイント。スムーズにいけば、リニアを利用する客は十分いると思うし、そういうふうにしたい」

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