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学校の謎ルール、見直しませんか⑤ しずしんニュースキュレーター/読者の意見【賛否万論】

 学校の謎ルールや校則を巡る問題は子どもたちや保護者だけでなく、子育てが終わった世代にとっても興味深いテーマのようです。未来を担う子どもたちのためにどんなルールは残し、どんな決まりは廃止すればいいでしょう。そもそも校則は必要なのでしょうか。キュレーターや読者の考えを紹介します。

キュレーター 玉置麻菜美さん(浜松市)Yui support株式会社代表取締役。地産地消給食や、オリジナルブランドイチゴ「結苺」の事業を展開している。インスタグラムのアカウントは@yui.shizuoka

 学校の校則については、私が高校生になった頃よりももっと前から、議論になっていたように思います。自分は高校に地毛証明書を出して入学し、高校入学後に黒髪に染めてくださいという紙をもらった当事者です。髪の問題だけではありませんでした。すっぴんでしたが、化粧を落としてきなさいとクレンジングシートも、もらいました。
 先生は責任感のある良い方々だったと思います。柔軟な対応が、どんなに難しいことかもわかります。どんな問題でも、永遠と話し合っていても変わらない。学校はいろいろなことを学ぶ場だと思います。
 先生方と一方通行でない、コミュニケーションが必要だと思います。何より、自分たちで考えて、提案して、行動して、変化を起こすことは社会に出てから必要です。
 今はいろいろな選択肢も増えてきました。子どもたちは日本だけでなく世界との違いも身近に感じているでしょう。子どもたちが日本の学校で学べることが誇りと感じることができるように、時代にあった新しいルールや、校則がこれからの20年で築かれることを願っています。

 

キュレーター 江口裕司さん(三島市)製造会社で米国勤務後、設計、製造、調達、翻訳、ISO、社内教育など多様な業務に携わり定年退職。現在、パートの傍ら、大学再入学を目指し勉強中。64歳

 まずは体験談から。私の学んだ県立K高校に校則はありませんでした。血気盛んに自由を求める学生運動で撤廃されていたのです。制服もテストも生徒会もない。授業はあっても好きな勉強を自習し、修学旅行は自由行動、文化祭は有志で企画実行です。「自由とは自己決定と自己責任がセットの自律」。そう身をもって体験する3年間でした。それでもみんな立派に(?)社会へ大学へと進みました。そんな私ですから奇妙な校則におののくばかりです。
 教える側と教わる側の信頼関係あってこその学校教育。下着の色までチェックするような教師が信頼されますかね。およそ教育とは思えない反面教師です。多様性や持続的社会を教える学校が校則で拘束してどうするのでしょう。校則あっても拘束なし。そう願います。
 1月20日付「賛否万論」では、校則が必要な理由に「社会のルールへの対応」を挙げる教頭先生のコメントが紹介されていました。規範意識は大切でしょう。でも私はくみしません。「既存のルールに従順であれ」と聞こえてしまうからです。社会で必要とされるのは従順さより、問題を発見し解決策をルール化する合意形成能力ではないでしょうか。
 また「合理的な説明ができる校則を」との静岡市教委のガイドラインにも違和を覚えます。ルールに必要なのは合理より合意ではないでしょうか。その合理の説明に合意がなければ独善的なルールになりかねません。
 「学校の『当たり前』をやめた。」(時事通信社)の著者で元東京都千代田区立麹町中学校長の工藤勇一氏は「服装の乱れは心の乱れ」といった校則を単なる迷信と一蹴、多様性を重視しながら同質性を求める教育の矛盾を批判し生徒の自律性を求めています。当事者意識が自己肯定感も高めるというわけです。なるほど身なりは整っているのに心が乱れている生徒の方が心配ですよね。
 冒頭、「自由とは自己決定と自己責任がセットの自律」と私感を述べました。校則とは、それをサポートするルールでありツールであってほしい。そう願う次第です。

 

キュレーター 松浦静治さん(島田市)任意団体Study Like Playing代表。20年間の小中学校教員生活の後、早期退職して地域で子どもを育む活動を実践。フリースクール、寺子屋、自然体験教室等を展開

 ブラック校則、謎ルールには「男子のツーブロック髪形禁止」や「靴下の色は白か紺で柄はワンポイントまで」などがありますが、私は中学校や高校の「制服」が不要だと思います。そもそも基本的人権の侵害では。どのような服を着るか、どのような髪形をするかは個人の表現の自由であり、基本的人権だと思うのです。小学校の多くが私服なのに、中学生や高校生になったら制服の着用を強制される合理的な理由が見あたりません。
 LGBTQ(性的少数者)への配慮のために「女子も制服のスラックスを履ける」「男子がスカートを履いてもよい」などという学校も出てきましたが、そもそも制服をやめればそのような問題は起こりません。服装を自由にしたら「いやらしい服装で性犯罪に巻き込まれる子が出てしまう」「服装にばかり気がいって、成績が低下する」などという人がいるかもしれませんが、だからといって制服を強制すれば解決するというのは、あまりにも短絡的です。「犯罪に巻き込まれないようにする」も「進路実現のために学習をする」も大切な教育事項ではありますが、それは別の方法で教育されるべきです。
 髪形の制限も靴下の指定も、校則で規定されるべきものではないと考えます。そして、これらの校則は、子どもたちが自分の人生を主体的に考えて、自分自身の力で生きていく力をそいでしまう原因になっていると思います。他人に合わせることを優先し、自分の個性を発揮することができない人を生み出してしまっていると思うのです。

読者 ホップさん(島田市)40代
 子どもたちへ

 今、あなたの周りに信念を持った大人はいますか? 気付いている通り大人はズルい。責任逃れのためにルールをつくり、それに従えない人に対しては「みんな」という武器での攻撃を許す。それを子どもに押し付けているのが理不尽な校則の正体、わざといじめが起こりやすくしているのです。集団生活に一定のルールは必要ですが、説明がつかないものなど不要です。
 「戦争とはじいさんが始めおっさんが命令して若者が死にゆくもの」。巨泉氏の言葉。
 でも絶望せずに信念に基づいて行動できる人とつながってください。あなたを苦しめるバカバカしいからくりを解説し、あなたの素晴らしさや戦い方、生き方を教えてくれるでしょう。だから集団を黙らせ従わせることが目的の強要をルールだとだます人の存在に気付き、どうなるか調べもせずにありがたく従うだけの考えない人には絶対にならないでください。今のあなたの心と未来のあなたのために。

次回も引き続き、読者の意見特集
 多くの学校に不思議な校則や謎のルールがあるようです。校則に関する困り事や問題提起、学生時代の思い出など、さまざまな投稿をお待ちしています。お住まいの市町名、氏名(ペンネーム可)、年齢(年代)、連絡先を明記し、〒422-8670(住所不要)静岡新聞社編集局「賛否万論」係<ファクス054(284)9348>、<Eメールshakaibu@shizuokaonline.com>にお送りください(最大400字程度)。紙幅の都合上、編集させてもらう場合があります。

 キュレーター
 「しずしんニュースキュレーター」は、新聞記事や時事問題の“ご意見番”として、静岡新聞の記者が推薦した地域のインフルエンサーです。毎回それぞれの立場や背景を生かしたユニークな視点から多様な意見を寄せてもらいます。

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