トルコ留学生「毎日つらい」 静岡県立大5人、地震に悲痛 「助けて」友人から連絡
トルコ南部を震源とする地震は13日未明(日本時間同日午前)で発生から1週間を迎える。静岡市駿河区の県立大に留学するトルコ人の学生は「毎日ニュースを見るたびにつらい」「とても悲しく何も手に付かない」と心を痛めている。
静岡県立大には交流協定を結ぶイスタンブールのボアジチ大のエブラヌル・グルトルコさん(23)、ブルジュ・オルチェルさん(21)、エリフエキン・クランさん(21)ら5人が留学している。全員家族の無事は確認したものの、がれきの中から「助けて」と連絡をしてきた友人や、大規模な停電の影響もあって連絡が取れない知人もいるという。
トルコ全土から学生が集まるボアジチ大は現在学期休み中で、発災当時イスタンブールを離れていた学生もいる。判明しているだけで学生5人が亡くなった。県立大に研究滞在中のボアジチ大の教員ギュン・クットさんは「被害を受けた範囲がかなり広く、トルコ人の6人に1人が被災者。全てのインフラが崩壊している」と指摘する。
2020年に地震が起きた東部エラズー出身のエブラヌルさんは「被災地の気温はマイナス1度と寒く、たき火で暖を取っている。今後はマイナス10度くらいになり、避難できても寒さで命を落とす人がいる」と厳しい環境や今後の生活を不安視。ブルジュさんは「まだショックが続いているが、周囲の人がハグしてくれたり、言葉を掛けてくれたりするだけで励みになる」と語った。
「人ごとではない」学生募金
県立大では8日から学生が中心となり義援金の募金活動を始めた。草薙、小鹿の両キャンパスの学生室などに募金箱を設置し、一般からの寄付も募っている。
留学生のほか、留学生を支援する学生や広域ヨーロッパ研究センターに所属する教員らが始めた。留学生と同じ寮で暮らす国際関係学部3年の小野華奈海さん(21)=福島県相馬市出身=は小学生の時に東日本大震災を経験。「一つの震災で日常が変わる。つらいときこそ皆で助け合って協力することが大切。一人でも多くの人に募金活動を知ってほしい」と呼びかける。
同大とボアジチ大は2006年度に交流協定を結び、09年度から留学生の交流が始まった。開始当時から留学生の支援を担当する佐藤真千子准教授は「本学で学んだ教え子の国で起きた地震は人ごとではない。関心を持ち続けてもらえるよう募金活動を継続したい」と話した。
募金箱の設置は28日まで。平日のみ。浄財はトルコ大使館に寄付する。