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富原橋で水質基準超過 静岡県の劇物調査 過去最高の濃度

 富士川水系での高分子凝集剤入り汚泥の不法投棄をきっかけに静岡県が継続している水質調査で、県生活環境課は10日、本流にかかる富原橋の調査地点で水質基準を上回る劇物アクリルアミドモノマー(AAM)を検出したと発表した。同地点では過去5回高い値を検出していて、今回が最も高かった。県は周辺にAAMを河川に排出している事業所がないか調査を開始した。
 調査は7回目で、12月8日に同課が県内5カ所で実施。4カ所でAAMが検出され、富士宮市と富士市にまたがる富原橋では、世界保健機関(WHO)の「飲料水水質ガイドライン」の水質基準である1リットル当たり500ナノグラムを上回る同610ナノグラムを検出した。
 いずれも県内の富士川楽座付近(同120ナノグラム)、富士川橋(同52ナノグラム)、稲瀬川(同8・9ナノグラム)でも劇物を検出した。
 農林水産省によると、水溶性のAAMは凝集剤の重合原料のほか紙力増強剤、繊維加工にも利用される。
 高濃度のAAMが検出された富原橋付近には地元漁協が漁業権を設定するほか、下流には農業用取水せきや水道用水のための井戸もある。県生活環境課は「ただちに健康被害に結び付く可能性は低いと考えるが、今後も継続調査をする必要性がある」としている。

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