テントサウナ エイケン工業(御前崎市)、静岡県内企業協業で商品化【静岡ものづくり最前線】

 キャンプ愛好家らを中心に近年人気を集めている「テントサウナ」。国内で流通する製品のほとんどが海外製の中、静岡県内企業との協業で商品化した。本業は自動車用のオイルフィルター製造。電気自動車(EV)の普及など自動車業界の変革を見据え、新事業での収益獲得を図る。

県内企業との協業で商品化したテントサウナ
県内企業との協業で商品化したテントサウナ

 テント内部を温めるサウナストーン(石)は、「大沢石」と呼ばれる溶岩石を三島市から調達。耐水性、耐熱性に優れた材質のテントを静岡市清水区の専門店が製作する。ステンレス製のストーブは磐田市の板金加工会社と試行錯誤し、石を載せる板を厚くして耐久性を高めた。農業用ビニールハウスと同様のパイプを骨組みに使用し、幅2メートル、奥行き2・4メートル、高さ1・9メートルの広々とした空間を支える。
 鈴木大成開発部長(50)は「修理が必要な時、海外製は部品を取り寄せるにも時間がかかる。地元企業が手がけているのでメンテナンスにすぐ対応できる」と強みを語る。
 昨年5月ごろからテントサウナの展示会などに参加し、来場者の意見を基に改良を加え、11月下旬から自社のオンラインショップで販売を開始した。SNSを駆使して情報発信する。石に水を掛けるひしゃくやサウナ用帽子など関連商品の開発も検討している。

 企業情報 御前崎市門屋1370、1967年創業。従業員245人。

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