11人が一酸化炭素中毒 1人死亡 溶接作業中 御前崎港のバイオマス発電所建設現場

 6日午後4時半ごろ、御前崎港西埠頭(ふとう)のバイオマス発電所建設現場から「溶接作業中の作業員が倒れた」と119番があった。建設事業を担う「御前崎港バイオマスエナジー」と御前崎市消防本部によると、男性作業員11人が一酸化炭素(CO)中毒になったとみられ、このうち同市池新田の会社員の男性(70)が搬送先の病院で死亡した。残る10人のうち、55歳と43歳の男性が重症。他の2人が中等症、6人が軽症という。菊川署は労災事故とみて調べている。

労災事故が発生したバイオマス発電所の建設現場=6日午後5時25分ごろ、御前崎港
労災事故が発生したバイオマス発電所の建設現場=6日午後5時25分ごろ、御前崎港
労災事故が発生したバイオマス発電所の建設現場=6日午後5時25分ごろ、御前崎港

 同社によると、作業員はボイラーの煙をろ過する装置「バグフィルター」の中で溶接作業をしていた。バグフィルターは筒型の形状で、高さ約15メートル。この日は午前8時から作業を行っていたという。同社は「行政をはじめ関係機関と連携し、原因究明に努める」とのコメントを出した。7日以降は建設作業を全面的に中断し、再開時期は未定という。
 同社は再生可能エネルギー事業を手がけるレノバ(東京都)などが出資し、御前崎市と牧之原市にまたがる敷地で2021年4月に着工した。今年7月の運転開始を目指しており、進捗(しんちょく)は「9割弱」(担当者)という。

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