淡島ホテル 売却先に香港の会社選定 購入希望額8億円

 沼津市の淡島ホテルの旧運営会社「淡島ホテル(現AWH)」が破産手続き開始決定を受けた問題で、破産管財人が3日までに、ホテルの建物を含めたAWHの保有する関連資産の売却先を、香港のIT製品販売会社に選定した。同日市内で行われた非公開の債権者集会後、出席者が明らかにした。

売却先が決まった淡島ホテル=昨年6月、沼津市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
売却先が決まった淡島ホテル=昨年6月、沼津市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 売却先は「エスアイエス・インターナショナル・ホールディングス」(本社・香港、リム・キアメン社長)。モバイルやIT製品の販売、不動産投資事業を展開し、総資産は964億円。2012年に大阪府の高層オフィスビル「りんくうゲートタワービル」の買収を機に日本のホテル事業に参入し、現在国内で計21棟のホテルを保有する。
 出席者によると、購入希望額は8億円。今後同社との間で売買契約を締結し、AWH親会社側との訴訟が解決後に入金予定という。選定作業では計19社から購入希望の申し出があり、購入希望額やホテル業の実績、資金力などを判断。従業員の継続雇用や地域発展への貢献度なども重視した。
 同ホテルを巡っては19年12月、静岡地裁沼津支部が旧運営会社の破産手続き開始を決定した。21年12月の地裁支部の強制執行により、ホテルは破産管財人の管理下に移り、業務委託契約を結んだ会社「フェニックス」がホテルの管理を行っている。管財人は22年8月ごろからホテルの任意売却に向け、購入希望者を公募し、売却先の選定作業に取り組んでいた。

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