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半壊未満の家屋 熱海市が解体を半額補助 リフォーム費も支援 新年度予算案に計上へ

 熱海市伊豆山の大規模土石流に関し、市は被災した家屋のうち公費解体の対象外になっている半壊未満の建物の解体費用を半額補助する方針を固めた。警戒区域内での生活再建に向けた自宅リフォームなども補助する。23年度当初予算案に関連予算を計上する。2日までの関係者への取材で分かった。

土石流が流れ下った現場。半壊に満たない被災家屋が数多く残る=2日午後、熱海市伊豆山
土石流が流れ下った現場。半壊に満たない被災家屋が数多く残る=2日午後、熱海市伊豆山

 土石流で被災した135棟のうち、公費解体の対象になっている半壊以上は89棟。市によると、申請のあった63棟(2日現在)のうち21棟が既に解体済み。半壊未満の準半壊や一部損壊の計46棟は解体する場合、現状は所有者が費用負担しなければならない。
 土石流発生から3日で1年7カ月。被災地は今も立ち入り禁止の警戒区域になっていて、被災者は市内外の応急仮設住宅で暮らしている。その間、被災地に立ち残る住宅の壁や屋根などは傷み、内部にカビが大量発生した家もある。
 現地に自宅が残る被災者の中には、元の場所で生活再建を希望する人もいれば、帰還を断念している人もいるが、双方から解体費用の補助を求める声が上がっていた。「『人災』に対する自己負担には納得できない」といった不満もくすぶる。
 こうした声を受け、市は半壊未満の解体費用を半額補助(上限500万円)する方向で調整している。伊豆山に戻って生活再建する世帯の自宅リフォームなどの資金として一律100万円(単身世帯は75万円)を支給することも検討している。
 市は土石流の起点に残る不安定土砂の撤去などを条件に、警戒区域を「夏の終わりごろ」に解除する予定。だが、現地で宅地分譲や住宅再建が始まるのはまだ先になる。市は被災者が恒久的な住宅で生活が送れるようになるまで応急仮設住宅の家賃補助を継続するほか、引っ越し費用も支援する方針も示している。

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