佐久間病院 オンライン診療開始 中山間地域医療前進へ 浜松・福沢集落

 浜松市天竜区佐久間町の国民健康保険佐久間病院は2日、同町の福沢集落で初のオンライン診療を開始した。遠隔で診療することで患者と医師双方の移動の負担を減らす。人手不足の医師の業務効率化につながり、集落が分散する中山間地域の医療体制の維持に生かしたい考えだ。

オンライン診療を利用する地元住民(手前)=浜松市天竜区佐久間町の福沢集会所
オンライン診療を利用する地元住民(手前)=浜松市天竜区佐久間町の福沢集会所

 福沢集落は佐久間病院から10キロ以上離れた集落で、近辺に医療機関や診療所はない。オンライン診療は同集落の福沢集会所で実施し、通信機器はタブレットを活用した。地元の70、80代女性2人が診療を受けた。
 内科医の木原彩音医師(29)は佐久間病院で診療を実施した。インターネット電話「スカイプ」を通じて「体の調子はいかがですか」「散歩していますか」などと受診者に質問した。受診者は画面越しに笑顔を見せ、質問に答えていた。
 診察を受けた鈴木アイ子さん(84)は「音は聞こえやすく画面越しでもやりとりは大丈夫だった」と話した。木原医師は「(オンライン診療は)対面がどうしても難しい時など臨機応変に使いたい。対面とオンラインは7対3の割合くらいで活用できればいい」と話した。
 同集落の通信環境は、浜松市のデジタル・スマートシティ官民連携プラットフォームのパートナー会員であるソフトバンクの支援を通じて整備された。同病院は今後、福沢のほか、相月、吉沢各集落でもオンライン診療を実施する。
 (水窪支局・大沢諒)

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