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自動車部材にCNF活用へ 産学官研究会が報告書案

 植物由来の素材セルロースナノファイバー(CNF)の自動車部材への活用を目指し、県内の産学官が連携した研究会(会長・青木憲治静岡大農学部特任教授)の第5回会合が1日、静岡市葵区で開かれ、報告書案を取りまとめた。CNF普及に向け、部品の試作や研究開発などでさらなる支援や連携に取り組むとした。

自動車部材へのCNF活用を目指し、報告書案をまとめた産学官の研究会=1日午前、静岡市葵区
自動車部材へのCNF活用を目指し、報告書案をまとめた産学官の研究会=1日午前、静岡市葵区

 研究会はCNF普及の課題を「強度確保」と「コスト」「リサイクル」に分類して検討した。報告書案では、高い安全性と強度が求められる自動車部品にCNF複合樹脂が使われるようになるには、試作品の耐熱試験などを重ねる必要があると指摘。CNFメーカーと自動車メーカーの協働による開発への公的助成の拡充も求めた。
 CNFの製造コスト低減に向けては、家電などの汎用(はんよう)品で実用・量産化を先行させ、最終的に自動車部材への活用を図るのが効果的とした。ガラス繊維強化樹脂などと比べ、リサイクル性に優れるCNF複合樹脂の特性を検証する必要性も提言した。
 研究会は2月中にも、報告書を県に提出する。県は報告書を今後の予算編成や支援施策に反映する方針。

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