プラニック(御前崎市)小池忠敏社長 廃プラの再資源化推進【キーパーソン】

 自動車や家電製品などの廃プラスチックを加工して再資源化する。御前崎市に工場を構え、昨年10月に事業を開始した。県内外の中間処理業者などから最大で年間約4万トンの廃プラを受け入れ、約3・2万トンの再生プラスチック原料の生産を目指す。今後の事業の展望などを聞いた。

小池忠敏氏
小池忠敏氏

 ―現在の稼働状況は。
 「徐々に廃プラの仕入れ量を増やしながら従業員の技術向上を図っている。夜間も稼働し始め、最終的には3交代制の24時間稼働を目指す。従業員は御前崎市や近隣市在住者を含め約40人。フル稼働に備えて増員を考えている」
 ―工場の特徴は。
 「材質ごとの選別が困難で、従来は廃棄したり焼却処分したりしてきたプラスチックを選別できる点だ。これまでは近赤外線を当てて選別する方法が一般的だったが、素材の色によって選別できないものがあった。工場では素材の比重差を利用し、特殊な液体に入れて浮き沈みで選別している。国内では初めて導入した技術だ」
 ―今後の展望は。
 「生産した再生プラスチックは現在、主に物流資材の製造に使われている。自動車製造への導入はまだ技術的な課題があるが、メーカーが求める品質の再生プラスチックを供給するため、管理方法を確立させていきたい。御前崎市が回収している製品プラスチックを昨年4月から買い取っている。地元自治体や企業との連携で地域経済の発展にも貢献していきたい」

 こいけ・ただとし 容器包装プラスチックのリサイクル業「グリーンループ」(菊川市三沢)で2014年から22年6月まで社長。同年9月から現職。64歳。

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