テーマ : 政治しずおか

グリーン水素普及へ本腰 静岡市、製造装置やバス補助 23年度

 静岡市は市内全域の脱炭素化を推進するため、生産過程で二酸化炭素(CO2)を出さない「グリーン水素」の普及を図る事業を本格化させる。2023年度当初予算案に、再生可能エネルギー由来のグリーン水素製造装置や、水素で走る「FCバス(燃料電池バス)」の導入費用を補助する方針を固め、24年度分の債務負担行為を含め関連経費約2億3500万円を計上する方向で調整している。30日までの関係者への取材で分かった。

静岡市役所
静岡市役所

 関係者によると、現在の水素利用は一般の燃料電池自動車用がほとんどで、供給力に対して需要が追い付いていない。同市は事業者の設備導入を支援して水素の供給量を増やすとともに、大口の需要が見込まれるFCバスの導入も助成し、水素の安定供給と市内の水素需要の拡大を後押しする。
 23年度当初予算案にFCバスの導入支援に約3500万円を盛り込む。再生可能エネルギーで水を電気分解してグリーン水素を生産する装置の導入補助は、23、24年度にかけて約2億円の債務負担行為を設定する予定。
 市はこのほか、太陽光発電など水素以外の再エネ設備導入も継続的に支援し、約3億5千万円を計上する見通し。
 静岡市は30年度までの脱炭素化実現を目指す環境省の「脱炭素先行地域」に県内で唯一選ばれた。市は市内の先行エリアとして、ENEOS(エネオス)製油所跡地の遊休地活用が見込まれるJR清水駅東口エリア(清水区)、物流倉庫などが立地する日の出地区(同区)、東名高速道日本平久能山スマートインターチェンジに近い恩田原・片山地区(駿河区)の3カ所を設定。消費電力を全て再生可能エネルギーで賄うことを目指している。

いい茶0

政治しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞