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プロの体づくり、子どもたちに指導 引退のJリーガー伊東さん 地元・富士でスクール開校へ

 富士市出身のJリーガー伊東幸敏さん(29)=静岡学園高出=が1月に現役引退を表明し、小学生以下のサッカー教室の4月開校を目指して準備を進めている。体を自在に動かす「コーディネーション能力」向上を指導の軸に据え「プロでの学びを伝え、有望な選手をたくさん輩出したい」と意気込む。

指導計画を練る伊東幸敏さん=1月中旬、富士市内
指導計画を練る伊東幸敏さん=1月中旬、富士市内

 教室は富士市内の練習場で行う。月、水、金曜の全3日程から一つ選んでもらい、幼児は1時間、小学生は2時間汗を流す。練習時間の3分の1を、体の使い方を学ぶトレーニングに充てる。各日程30人を上限に県内外から募り、個別指導に力を入れる。
 伊東さんは高校卒業後にJ1鹿島に入団し、真っ先に先輩やユース出身の同期の体の厚みに驚かされた。練習前から入念に動作を確認する選手たちに習うと体力が向上し、出場機会も増えたという。「テクニックは通用しても戦える体ではなかった」と振り返る。
 練習メニューは、鹿島の元トレーナー塩入洋輔さん(33)と組み立てる。一般的にサッカーの基本はパスやドリブルが挙げられるが、伊東さんは「体が動く仕組みの理解が初歩」と考える。週1回の練習のほか、それぞれの筋力バランスに合わせた課題を与える。
 子どもたちの熱意を呼び起こしたいとの思いを込め、教室はポルトガル語で「最大、熱量、頂き」を意味する単語の頭文字で「MRCサッカースクール」と名付けた。静岡学園高で主将を務めた経験を基に、一人一人のやる気と向き合う。
 J2大分で現役生活に終止符を打ち、現在は単身で富士に戻り生徒集めに奔走している。「子どもの頃から高い質の指導を受けたらどこまで成長するか楽しみ」。まもなく始める第2のサッカー人生に期待を膨らます。
 開校説明会を2月12日午後7時から、富士市のロゼシアターで開く。問い合わせは同スクール<電090(5413)7732>へ。

 いとう・ゆきとし 静岡学園高3年時に全国高校総体(インターハイ)準優勝。2012年、J1鹿島に入団。主に攻撃的な右サイドバックとしてプレーするも、18年に右膝を負傷し出場機会を減らした。J2千葉、大分にも在籍した。U-23日本代表に選出された経験がある。

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