EVシフト、脱炭素推進 持続的成長へビジョン策定 加藤充明/小糸製作所社長 【聞きたい】

 電気自動車(EV)など次世代モビリティ開発が進む中、主力製品の自動車用ランプを高性能化する一方、新規事業の発掘や早期事業化に力を注ぐ。持続的な成長や環境との共生に向け、2022年11月に30年度までの経営目標「KOITO VISION(コイト・ビジョン)」も策定した。

加藤充明社長
加藤充明社長

 ―足元の事業環境は。
 「自動車用ランプの22年の年間生産数は7900万台。前年比450万台増とはいえ、新型コロナウイルス感染拡大前の状況までは回復していない。半導体や部品不足は完全解消したと言えず、23年も厳しい経営環境が続くだろう」
 ―ビジョン策定の狙いは。
 「国内自動車産業はEVシフトや脱炭素化などで大きな変革期を迎えている。そうした中、企業が一層成長するには従来の中期経営計画よりも長期的視点で将来像を示す必要があると考え、ビジョンを策定した。具体的な数値目標として、事業面では照明機器の販売先を海外完成車メーカーにも広げ、30年度の世界シェアを現在の20%から23%に高める。連結売上高は年率平均5%の成長を掲げた」
 ―新規事業をどう育てるか。
 「まずは23年度に市場投入する自動運転向けの次世代センサー『LiDAR(ライダー)』が試金石となる。フロントガラス前方に道案内などの情報を表示するヘッドアップディスプレー(HUD)の開発も進め、25年度の市場参入を予定している。いずれも交通事故や渋滞の低減効果が期待され、ランプ製造で培った技術力をこれらの新規事業に着実に生かしたい」
 ―脱炭素化の取り組みは。
 「22年は総額50億円の環境投資を行い、工場敷地内での太陽光発電施設の設置や生産設備の複合化による省エネに取り組んだ。今後5年間でさらに200億円程度を投じる計画で、30年度の二酸化炭素(CO2)排出量を13年度比で半減させる」

 かとう・みちあき 1982年入社。取締役、専務営業本部長・国際本部副部長などを経て、2021年6月から現職。静岡市葵区出身。63歳。

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