「否認の元社長からの指示」 焼津カツオ盗 実行、運送の実態説明 静岡地裁公判

 焼津市の焼津漁港に水揚げされたカツオの窃盗事件で、窃盗の罪に問われた神奈川県の運送会社「ホクユウ」(現ケイエスケイ)元社長の被告(49)と同市の水産加工会社「大熊フーズ」元社長の被告(57)、都内の水産加工会社「大洋エーアンドエフ」元焼津営業所長の被告(47)の公判が25日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、「ホクユウ」の元社長の被告の被告人質問が行われた。「大熊フーズ」の元社長の被告は昨年10月の初公判で「共謀していない」と否認したが、「ホクユウ」の元社長の被告は「大熊フーズ」の元社長の被告からの指示でカツオを盗み、報酬を得ていたと述べた。
 起訴状によると、「ホクユウ」の元社長の被告は2021年3月22日、元焼津営業所長の被告と共謀し、焼津漁港の魚市場で、冷凍カツオ約4・6トン(時価約75万円相当)を計量せずにトラックで盗み出したとされる。また同日、「大熊フーズ」の元社長の被告と共謀の上、冷凍カツオ約6・1トン(同約100万円相当)を同様に盗んだとされる。
 「ホクユウ」の元社長の被告は被告人質問で、盗んだカツオのうち、大洋エーアンドエフ分の余りを大熊フーズ分に回していたと説明。「大熊フーズ」の元社長の被告からの具体的な指示として「九州で(カツオを)下ろす場所。魚のサイズも言われたことがある」とした。「大熊フーズ」の元社長の被告からの報酬は運送費を除き、冷蔵倉庫会社の責任者や「帳面」と呼ばれる焼津漁業協同組合の計量担当職員らと分け合っていたという。「ホクユウ」の元社長の被告は「申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪した。

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