用心棒料 年2回10年以上か 逮捕の暴力団幹部 酒代金名目で回収

 静岡市葵区の繁華街にある社交飲食店の経営者から用心棒料が回収されていたとされる事件で、県暴力団排除条例違反の疑いで25日に逮捕された指定暴力団稲川会森田一家幹部の無職の男(49)=同区駒形通6丁目=が、10年以上にわたって用心棒の関係にある複数の飲食店などに年2回、酒を販売して購入代金名目で用心棒料を受け取っていたとみられることが同日、県警への取材で分かった。

独自のラベルを貼り、2本1セットで販売されていた酒(県警提供)
独自のラベルを貼り、2本1セットで販売されていた酒(県警提供)

 県警捜査4課によると、容疑者は森田一家の若頭でナンバー2の立場。蔵元から4合瓶(約720ミリリットル)の酒を仕入れて独自に発注したラベルに貼り替え、自身が用心棒となっている飲食店などに2本1セットで販売していたとみられる。盆と年末の年2回で、「付き合い」などと称して1本千円程度の酒に1本1万円の値段を付けていた。
 25日に逮捕されたのは幹部の男と森田一家組員の無職の男(38)=同市駿河区小鹿1丁目=、非組員の男4人の計6人。逮捕容疑は共謀して昨年12月中旬、葵区両替町の社交飲食店の経営者から酒の購入代金名目で用心棒料4万円を受け取った疑い。仕入れや販売は幹部の男以外の5人で行っていて、非組員らが作業することで条例違反が発覚するリスクを抑えていたとみられる。
 県警によると、昨年末に約100セットの酒を仕入れたことが確認されている。同経営者以外の相当数の店舗からも用心棒料を集めた可能性がある。
 酒の販売は毎月の用心棒料の回収とは別に行われていたといい、森田一家の資金源の一つになっていたとみられる。県警は繁華街から暴力団への資金の流れを遮断するため、酒を購入した事業者などを捜査して実態の解明を進める。
 19年8月施行の改正県暴力団排除条例は、静岡市や浜松市など5市6カ所の繁華街を「暴力団排除特別強化地域」に指定し、飲食店や風俗業を営む事業者と暴力団の間でみかじめ料や用心棒料の授受を禁止している。

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