浜松市福祉交流センター無料利用継続、市に要望 2障害者団体

 浜松市の障害者団体が25日、鈴木康友市長宛てに市福祉交流センター(中区)の利用に関する要望書を提出した。市の好意で20年以上にわたってセンター内施設を予約して無料利用し、卓球に取り組んできたが、2023年度からは団体予約の際には利用料の支払いを求められたためだ。市は市条例や他団体との公平性を理由に挙げるが、団体側は障害者の負担増や、活動がリハビリに加え、障害者の“居場所”の役割も担っているとして無料利用の継続を訴える。

山下健康福祉部長(右)に要望書を手渡す安松会長=浜松市役所
山下健康福祉部長(右)に要望書を手渡す安松会長=浜松市役所
サウンドテーブルテニスの練習に励む視覚障害者ら。2023年度以降も無料利用できるよう求めている=浜松市中区の市福祉交流センター
サウンドテーブルテニスの練習に励む視覚障害者ら。2023年度以降も無料利用できるよう求めている=浜松市中区の市福祉交流センター
山下健康福祉部長(右)に要望書を手渡す安松会長=浜松市役所
サウンドテーブルテニスの練習に励む視覚障害者ら。2023年度以降も無料利用できるよう求めている=浜松市中区の市福祉交流センター

 要望書を出したのは市身体障害者福祉協議会(二橋真洲男会長)と市視覚障害者福祉協会(安松和男会長)。両会長らが25日、市役所を訪れ、山下昭一健康福祉部長に要望書を手渡した。
 市条例では障害者がリハビリでセンターを利用する際、個人は無料、団体は通常の半額になる。ただ、団体は優先予約できる一方、個人は当日の空き状況で利用の可否が決まるため、事前に予定を立てることは難しい。市は22年のセンターリニューアルに伴って利用実態を把握し、両団体に運用変更を伝えた。
 交通弱者の障害者にとってJR浜松駅近くのセンターは公共交通で利用しやすい上、特殊な道具を使う視覚障害者の卓球「サウンドテーブルテニス」に限ってはセンター以外で市内に練習場所はない。ヘルパー利用の参加者もいて利用料は大きな負担になる。
 市によると、無料利用に関する資料はなく、口約束のあいまいな運用が続いてきたとみられる。安松会長は「リハビリや生きがいとして重要な活動。参加できなくなる障害者が出てしまう」と訴える。山下部長は市条例に沿った運用に理解を求めた上で「障害者スポーツ振興と福祉の両面でどのような形がいいかを検討したい」と述べた。
 (浜松総局・宮崎浩一)

 卓球練習 リハビリや交流 年数十万円の負担増に
 浜松市身体障害者福祉協議会と同市視覚障害者福祉協会はそれぞれ週1回5時間程度、市福祉交流センター(中区)で卓球に取り組んでいる。求められる利用料は市条例に基づき1時間610円。同協議会は2部屋を利用するため、年間にすると、計数十万円の負担増になる。
 両団体によると、無料利用が始まったのは1997年頃。現在は身体障害者をはじめ、知的、精神障害者ら計約35人が活動し、22年の全国障害者スポーツ大会には4人が出場するなど競技力向上にもつながっている。
 両団体は他の政令市には障害者団体が無料で利用できる施設が多い点なども主張。同大会で優勝した視覚障害の伊藤貴子さん(53)=中区=は「金メダルはセンターのおかげ。外出のきっかけにもなっている。練習を楽しみにしている障害者も多いので、今まで通り利用させてほしい」と理解を求めている。

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