救急救命士が不適切処置 富士山南東消防本部

 富士山南東消防本部(三島市)は24日、30代の男性救急救命士が搬送中の糖尿病患者に対し、ブドウ糖溶液を本来の静脈路ではなく口から投与する不適切な処置を行ったと発表した。
 救急救命士は昨年12月に裾野市内で低血糖による意識障害が疑われる意識不明の50代男性を搬送する途中、男性の呼吸が停止するなど容体が変化したため医師から静脈路を確保してブドウ糖溶液を投与し、気道確保のチューブを挿入するよう指示を受けた。しかし、男性が心肺停止となり静脈路の確保が困難なため、再び医師の指示で口からチューブを経由してブドウ糖を投与したという。
 男性は病院搬送後に死亡した。同本部によると口から投与したブドウ糖との因果関係はないとみられるが、救急救命士による特定行為の手順を記した「プロトコール」では口からの投与を認めていないという。今後、救急救命士と関係者の適切な処分を行うとし「再発防止に向けて厳正に対処する」としている。

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