園児虐待事件 前園長に対する刑事告発を取り下げ 裾野市、園運営正常化へ協力
裾野市の私立さくら保育園の園児虐待事件を巡り、市は24日、前園長の50代の男性に対する犯人隠避容疑での刑事告発を取り下げた。園の運営を早期に正常な状態に戻すため、市として協力するという。

村田悠市長が同日、告発状を提出した裾野署を訪れ、取り下げの意向を伝えた。運営法人の理事長を兼務していた前園長は既に引責辞任し、園は新しい体制になっている。市は新年度を前に、さくら保育園を含む市内全体の保育施設入所希望を調整中で、園の再生に向けこれ以上の混乱を避けたとみられる。
市の調査や園の説明によると、前園長は「園の機密事項を漏えいしない」との内容の誓約書を職員に提出させたり、市に告発しようとした保育士の前で土下座をしたりしたという。市は昨年12月5日に前園長を刑事告発し、同署が受理の可否を検討していた。
同署は同4日に暴行容疑で保育士3人を逮捕し、静岡地検沼津支部が同23日に3人を処分保留で釈放した。