園児の顔に落書き 沼津の施設で不適切保育 所長含む複数人関与

 沼津市は21日、市内の保育事業所で所長や保育士数人が園児のほおを引っ張ったり、顔に落書きしたりする不適切保育を行っていたと明らかにした。市は施設に是正を指導するとともに、児童福祉法に基づき今月中にも立ち入り検査を実施する方針。市は園児の特定につながる恐れがあるとして、事業所の名前を明らかにしていない。

 市によると、0歳児のほおを引っ張って広げ面白がる▽水性ペンで1歳児の顔にひげやつながり眉毛の落書きをする▽ハロウィーンイベントでお面を怖がる園児を追い回す―など5項目の行為が確認された。行為が始まった時期は不明。2022年10月ごろまで行われていたとみられ、園児の様子を写真撮影し、職員間のグループLINE(ライン)で共有していた。
 20日に事業所の職員と保育士が市役所を訪れて報告。翌21日に市職員が施設で詳細な状況を確認したという。
 所長らは行為を認め、「かわいがるつもりでやった」などと話しているという。裾野市の私立保育園の園児虐待事件を受け、当該保育事業所でも昨年12月に落書きなどをやめるよう職員間で共有したが、沼津市には報告していなかった。
 裾野の事件を受け、沼津市が開いた施設長会議には当該保育事業所の代表も参加していたという。同市は定期監査を実施しているが、21年度の監査では不適切な事案は確認されなかった。
 頼重秀一市長は「不適切な保育が行われたことは大変遺憾。再発することがないよう、法令に基づき適切な指導・監督を実施する」とコメントした。

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