砂防法抵触盛り土 初摘発へ 静岡・葵区で造成、全国最大級 県警が捜査

 藁科川上流域の静岡市葵区杉尾、日向両地区で土砂災害の危険性がある巨大な盛り土が造られていた問題で、静岡県警は13日までに、砂防法の規制区域「砂防指定地」に無許可で土地改変行為をした疑いがあるとして、造成業者への捜査に着手した。県砂防指定地管理条例など砂防法関連の法令違反の摘発を視野に現地の実測調査や業者への聴取を進めている。捜査関係者への取材で分かった。

「砂防指定地」に造成された巨大な盛り土。写真手前が日向地区で、奥が杉尾地区=1月中旬、静岡市葵区(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
「砂防指定地」に造成された巨大な盛り土。写真手前が日向地区で、奥が杉尾地区=1月中旬、静岡市葵区(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
「砂防指定地」に造成された巨大な盛り土。写真手前が日向地区で、奥が杉尾地区=1月中旬、静岡市葵区(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 県警は今月中旬、造成などをした疑いのある業者の立ち会いの下、現地で実測を行い、改変面積を確定する作業を進めた。県や静岡市の職員も県警の要請を受けて一部作業に加わった。杉尾地区の盛り土は国道362号沿いの休憩所の裏側にある崖斜面に広がり、森林伐採された中に残土が段々状に形成されていた。計測にはドローンなども活用した。
 捜査関係者によると、砂防法関連の法令違反による摘発は県警では前例がないという。搬入や造成行為は2022年にも確認されているが、県は現在までに撤去命令を出していない。県警は盛り土の状況や土砂の運搬・搬入手口を正確に把握し、適用できる法令などを判断した上で、業者の責任を追及するとみられる。
 関係者によると、土地改変で造成された広さは概算で日向地区が約6万平方メートル、杉尾地区は約2万平方メートル。土砂量は日向が約37万立方メートル、杉尾は約5万立方メートルで、合わせると熱海市伊豆山に造成された盛り土の5倍超になる。県内の同一業者が、自ら所有する土地に長年土砂を搬入し続けたとみられ、全国的にみても最大級の規模になる可能性が高い。
 県は21年7月に起きた伊豆山の大規模土石流を受け、同8月~22年3月に県内の盛り土総点検を実施した。伊豆山で崩れ残っている盛り土に次いで緊急性の高い盛り土として抽出した7カ所に、静岡市葵区の2カ所を含めている。

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