新幹線本数「先行開業後も調査を」 川勝知事、近く首相に書簡提出
川勝平太知事は11日の定例記者会見で、岸田文雄首相がリニア中央新幹線開業後の県内の東海道新幹線停車本数増に向けた調査を今夏までにまとめる方針を示したことについて、2037年をめどとする品川―大阪間の全線開通後だけでなく、27年開通を目標とする品川―名古屋間の先行開業後の需要動向予測も必要だとの見解を述べた。意見としてまとめ、岸田首相宛てに近日中に書簡を提出する方針を示した。
岸田首相は4日の年頭記者会見で「全線開業に向け、大きな一歩を踏み出す年にしたい」と述べ、水資源問題や環境保全についても地元調整と国の有識者会議での議論を進める考えとともに、停車本数の調査結果を関係者に丁寧に説明する意向を示した。
これに対して知事は会見で「首相が自ら(リニア問題に)コミット(言及)したいと話したことはありがたい。責任を持ってシミュレーションしてほしい」と注文。先行開業段階でのリニア需要に疑問を呈し、「新幹線への乗り換えが必要な名古屋までの開業と、大阪までの全線開通では、のぞみからリニアに需要が移るか全く別の話になる」と述べた。エネルギー価格の高騰など社会環境が変化する中で、JR東海の事業計画の妥当性についても検証する必要性を指摘した。