静岡空港の国際線再開へ 2月に韓国チャーター便 定期便再開に期待

 静岡県と富士山静岡空港株式会社は5日、新型コロナウイルスの影響で2020年3月から全便欠航している静岡空港(牧之原市)の国際線について、23年2月下旬に韓国発着のチャーター便で2年11カ月ぶりに運航を再開すると発表した。現時点で3カ国7路線の定期便は再開のめどが立っていないが、県空港振興課は「チャーター便を呼び水に、定期便の早期再開につなげたい」と期待をかける。

静岡空港を利用するチェジュ航空の機体=2019年6月(静岡県提供)
静岡空港を利用するチェジュ航空の機体=2019年6月(静岡県提供)

 チャーター便は、韓国最大手の旅行会社「ハナツアー」による3泊4日の団体旅行に合わせた。チェジュ航空(韓国)が2月25日と28日に仁川(ソウル)―静岡間往復の計4便を運航する。各便の座席数は189席。
 ハナツアーの旅行商品は、県中部や伊豆半島を周遊するコースや、東京都内や箱根などを巡るツアーが販売されている。チャーター便の復路に合わせた日本から韓国へのツアーについても、県内の旅行会社などが販売を検討しているという。
 県は22年度、出野勉副知事が訪韓するなどして航空会社や旅行会社に韓国路線の再開を働きかけてきた。22年度一般会計9月補正予算では、国際線の需要喚起や旅行代金の割引支援として約7千万円を計上。定期便は特に規制緩和が進んでいる韓国と台湾の路線で、再開に向けた交渉を続けている。
 5日の会見で空港振興課の滝口浩一課長は、「国内も含めて、静岡空港の認知度向上を図りたい」と話した。富士山静岡空港株式会社の渡部勝専務は、免税店の営業再開などを検討しているとして、「可能な限りの準備を進めて迎えたい」と意気込んだ。

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