聖隷、競り負ける 開智に1-2 バレーボール全日本高校選手権

 バレーボールの第75回全日本高校選手権は4日、東京体育館で開幕して1回戦が行われ、県勢は男子で2年ぶり出場の聖隷クリストファーが1-2で開智(和歌山)に敗れた。女子の富士見は新型コロナウイルスの抗原検査でチーム内に陽性者が出たため、大会実施要項により欠場した。

開智―聖隷クリストファー 第2セット、スパイクを決める聖隷クリストファーの小野=東京体育館(写真部・久保田竜平)
開智―聖隷クリストファー 第2セット、スパイクを決める聖隷クリストファーの小野=東京体育館(写真部・久保田竜平)

 聖隷は第1セットを16-25で失ったが、第2セットは2年生エース小野駿太が3本のサービスエースを含む11得点を挙げて25-21で取り返した。だが、第3セットは5-4から5連続失点。最後は小野のサーブ、スパイクも対応され15-25で失った。
 男子は全国高校総体4強の松本国際(長野)が昇陽(大阪)に2-1で勝ち、2回戦へ進んだ。大村工(長崎)は高川学園(山口)に2-0で勝った。清風(大阪)東北(宮城)も勝ち上がった。
 女子は東九州龍谷(大分)が2-1で東京都市大塩尻(長野)に勝利。共栄学園(東京)は2-0で盛岡誠桜(岩手)を退けた。初出場の城南学園(大阪)は敬愛学園(千葉)に2-1で勝った。近江兄弟社(滋賀)はインフルエンザがチーム内でまん延したため出場を辞退し、熊本信愛女学院が不戦勝となった。
 男女各52校が参加。準々決勝までは3セット制、準決勝と決勝は5セット制で争われる。新型コロナウイルスの影響で、7、8日の準決勝と決勝だけ観客を入れて開催。

 ▽男子1回戦
開智(和歌山) 2(25―16 21―25 25―15)1 聖隷クリストファー
 ▽女子1回戦
松山東雲(愛媛) ― 富士見
(不戦勝)


 小野 勝負どころ決めきれず
 頼みのエースが勝負どころで止められた。第3セット。聖隷クリストファーは12-15から、18歳以下日本代表の小野のジャンプサーブを1本で切られ、直後のバックアタックが外れた。ここから一気に突き放され初戦敗退。「自分の未熟さ、弱さが出た」。初の春高に挑んだ2年生の主将は天を仰いだ。
 多彩な連係攻撃、組織的な守備など完成度では相手が上。打開するには小野を軸にしながらも、要所で周囲が決めてマークを分散させる必要があった。
 狙いがはまった場面はある。第2セット。小野が8本のスパイクを決め、12-13から3連続サービスエース。この流れにミドル高柳の速攻、ライト佐々木の強打も絡めて取り返した。だが、第3セットは「劣勢でトスが弱気になり、小野頼みになってしまった」とセッター錦織。単調な攻撃は相手守備網にからめ捕られた。
 試合後、田川監督は厳しい言葉で小野に奮起を促した。「警戒されても止められない選手にならなければ。冷静にプレーするが、主将としてもっと取るべき態度もある」。県外強豪校からの誘いを断り、「静岡で勝負したい」と聖隷を選んだエースは、「チーム全体を引っ張りたい」と雪辱を誓った。
 (山本一真)

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