静岡県勢競輪2選手 ブログ巡り争い 「禁止行為」書き込みに慰謝料 静岡地裁富士支部

 「どけーー」という競輪競技中に禁じられている声を出したとブログに書かれたことで名誉を傷つけられたとして、ともに静岡県出身の第一線で活躍する選手同士が争った慰謝料請求訴訟の判決が28日までに、静岡地裁富士支部であった。有冨正剛裁判官は慰謝料220万円の支払いとブログへの謝罪文の掲載を求めた請求の一部を認め、被告側に88万円を支払うよう命じ、双方控訴せず確定した。
 原告は49歳の男性選手=富士宮市山本=で、被告は磐田市出身の男性選手(48)=東京都中央区=。ともに最高峰の「S級S班」に所属していた時期があり、いずれも通算数百勝の実績がある。
 問題となったのは2人が出場した2019年1月の大宮競輪場でのレースを巡る、被告の公式ブログへの書き込み。判決理由で有冨裁判官は「公営競技は公正なルールの下で運営され社会的信用を得る。ルールを守るかは選手への評価基準に含まれる」と指摘。さらに「『どけーー』と声をかける行為はレース展開に有利な影響を及ぼす意図を想起させ、職業選手の社会的評価を低下させた」とした。
 被告が「実際のところ、ドケーとは言われていない」とする謝罪文案を原告に送信しつつ、結局掲載されなかった経緯を考慮する一方、当該の書き込みはすでに削除されていることから、判決で謝罪文掲載の要求は退けた。

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