不適切行為 会見前日まで家族に報告せず 南伊豆の精神科病院 「目に見えるけがない」「法には触れず」

 南伊豆町の精神科病院「ふれあい南伊豆ホスピタル」で、介護職員らが患者の口に粘着テープを貼るなどの不適切な行為を重ねていた問題を巡り、望月博院長らは28日、記者会見を行う前日の27日まで不適切行為を県や患者の家族に報告していなかったと明らかにした。望月院長は一部の行為は看護や介護の中だったとし「仕方のないところもあった」などと弁明した。

会見で弁明する望月博院長=28日午後南伊豆町のふれあい南伊豆ホスピタル
会見で弁明する望月博院長=28日午後南伊豆町のふれあい南伊豆ホスピタル
会見で弁明する望月博院長=28日午後南伊豆町のふれあい南伊豆ホスピタル

 「目に見えるけががあったわけではない」「暴行罪にはあたらないと思った」-。
 同院は看護師による患者への暴行が明らかになった「ふれあい沼津ホスピタル」(沼津市)と同じ「ふれあいグループ」が運営する。望月院長は「(県や患者家族に報告しなかったのは)私とグループの判断」とし、ふれあいグループ全体で不適切行為に関する認識の甘さがあったとの考えを示した。
 同院が確認した「不適切行為」は4件。2021年9月から22年3月にかけ、50~60代の准看護師や介護福祉士ら4人が患者の口に粘着テープを貼るなどした。4人は「患者が暴れるなどしたため」「仕事の効率化のためだった」などと説明しているという。21年9月の行為発覚後、病院は再発防止の研修を実施していた。
 病院側は22年3月に4人を停職1カ月の処分とした。処分明けからは担当病棟を異動させた上で勤務に戻り、12月28日現在も同院に在籍する。職務に戻った経緯について病院側は「犯罪行為にあたらないため」とするものの、行為が報道された27日に全員が退職意向を示したという。当時の担当部長も3月に停職処分とした。
 4人の中には以前から言動について問題視されている職員もいたと説明する一方、21年9月以前にさかのぼっての調査は「現実性がない」として実施する予定はないという。
 病院から報告を受けた県は28日、医療法に基づいて同院に立ち入り、関係者から事情を聴取した。

院長「違う話だと思った」 沼津の同グループ病院問題 希薄な危機意識
 精神科病院「ふれあい南伊豆ホスピタル」(南伊豆町)の望月博院長は28日の会見で、同グループの「ふれあい沼津ホスピタル」(沼津市)の暴行問題について、行為の程度に対する認識を理由に「(南伊豆とは)違う話だろうと思った」などと説明した。自身の進退については辞任する意向はないとした。
 沼津の暴行問題に対して「(報道対応などを)大変だなあと見ていた」とし、その後の説明でも危機意識の希薄さをのぞかせた。一方、南伊豆の問題については「とんでもないことだ」と強調するなど一貫性のない発言が続いた。
 不適切行為における虐待の認識の有無について「今は言えない」とも述べ、質疑の最中に同席した弁護士に判断を委ねる場面も目立った。

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