テーマ : 熱海市

熱海市側、初弁論欠席 遺族批判に市長釈明「弁護士の助言受け」 熱海土石流損賠訴訟

 熱海市伊豆山の大規模土石流の遺族らが県と熱海市に計約64億円の損害賠償を求めた訴訟で、市側が第1回口頭弁論に欠席したことについて、斉藤栄市長は23日の定例記者会見で「出席したかったが、弁護士の助言を受けてやむを得ず欠席の判断をした」と述べた。市の対応に遺族から批判が出ていて、今後の復旧復興事業に影響を与えかねないとの声も上がっている。
 第1回口頭弁論は今月14日、静岡地裁沼津支部であり遺族が意見陳述を行った。県側は代理人が出廷していたが、市側は弁護士と市職員計13人の代理人全員が欠席した。
 斉藤市長は会見で「原告と裁判所が決めた弁論期日に顧問弁護士の予定が合わなかった」と釈明。指定代理人の市職員については「裁判での発言になるため出廷を差し控えるよう弁護士から助言があり、最終的に私が判断した」と述べた。
 市側は事前に答弁書を提出していたため、法的に初弁論を欠席することは認められている。しかし裁判を傍聴した被災者の1人は「『被災者に寄り添う』という市長の言葉とは正反対の行為。復旧復興以前に、市を信用できない」と話していた。
 斉藤市長は「復旧復興や被災者の生活再建に最大限努力し、被災者に寄り添っているつもり。いろいろな声があると思うが、その気持ちを伝えるよう努力する」と述べた。

熱海市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞