虐待行為、速やかに報告を 静岡県、県内精神科病院に周知へ

 沼津市の精神科病院「ふれあい沼津ホスピタル」で勤務していた看護師が入院患者に暴行したとされる問題で、静岡県は22日、県内の精神科病院に対して虐待行為を把握した場合、速やかに行政機関に報告するよう改めて周知する方針を示した。

静岡県庁
静岡県庁

 県庁で開いた精神保健福祉審議会で明らかにした。県の聞き取りによると、同病院は9月末に暴力行為を把握していたものの、「法令上、報告義務がなかったため行政には報告しなかった」と説明しているという。県への報告は12月19日で、2カ月以上を要した。
 県は関係者に対する追加聴取や提出資料の精査などを踏まえ、精神保健福祉法に基づく指導を実施する方針も示した。
 委員からは「日常的に(暴力行為が)起こっていなかったのか。内部で何があったのか明確にしてほしい」などの意見が上がった。虐待行為などの届け出が適切に行われるような態勢づくりを求める声もあった。
 暴力行為は9月に発生。県は年に1回、病院を定期監査しているが、今年8月に実施した監査では異常は確認されなかったという。

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